突然始まった母の在宅介護で「老後計画」が崩壊、60代夫婦を襲う将来不安

6月15日公開 ダイヤモンドオンライン 「残念サラリーマンのお金相談所」です。

いつか来るだろうと考えていても、それが突然現実のものとなったらやはり戸惑ってしまうのが、「親の介護」です。今まではなんとかやりくりできていた家計も、介護にかかる支出が増えて状況が激変するということがあり得ます。想定外の支出にどう対応すればいいのか、そうしたお悩みをよく聞きます。

同居母の在宅介護でかさむ支出
60代夫婦の老後計画に暗雲

 例えば、再雇用で働くAさん(63歳)の場合です。現在Aさんは雇用延長で働く妻(61歳)と自分の母親(87歳)、息子(33歳)の4人で暮らしています。

 1カ月の収入は夫婦の収入と息子が入れてくれるお金、母親の年金を合わせた40万円を超える金額です。住宅ローンは完済しているので、食事や旅行などにお金をかけて定年後の暮らしを楽しみながらも、家計は黒字を保っていました。わずかですが、貯金もできていました。

 ところがある日、母親が玄関先で転倒、骨折してしまい、入院することになってしまいました。無事に退院することはできましたが、以前のように自由に動くことができず、車いすやつえが必要な生活です。加えて、入院生活により認知症の症状も出始め・・・