【事例】「夫にお任せ家計」の盲点。夫婦のすれ違いを解消した家計再生ストーリー

こんにちは、株式会社マイエフピー です。

私たちの相談室には、毎日さまざまなお悩みを抱えたご夫婦がいらっしゃいます。その中でも特に多いのが、「家計のやりくりをパートナーに任せきりにしていて、実態がよく分からない」というお悩みです。

今回は、あるご夫婦の面談室でのやりとりをご紹介します。お金が貯まらない本当の理由は、無駄遣いだけではないのだと、深く考えさせられた事例です。


1. 面談室での張り詰めた空気

相談室の椅子に座られた専業主婦のAさん(42歳)は、最初からとても不安そうで、どこか張り詰めた表情をされていました。その隣には、少し居心地が悪そうに、奥様に連れてこられた会社員の旦那様(47歳)が座っています。

お二人は晩婚・晩産のご家庭で、お子様はまだ6歳。これから本格的にお金がかかる時期を迎える一方で、旦那様はあと数年で50歳。定年後の生活や教育費を考えると、今のままでいいのかと奥様は毎日のように一人で焦っておられました。

「主人がお給料もボーナスも管理しているんですけど、中身を全然教えてくれないんです。週末の外食や主人の趣味を見ていると、使いすぎているようにしか思えなくて……。このままじゃ危ないから、各支出をいくらに抑えるべきか、先生から主人にガツンと言ってください!」

奥様は膝の上で握りしめた手にぎゅっと力を込め、一気に話してくださいました。実態が見えない恐怖と、「私一人だけが将来を心配している」という孤独感で、胸がいっぱいになっているのが痛いほど伝わってきました。


2. 旦那様が手帳から取り出したメモ

隣で黙って聞いていた旦那様にも話をお聞きしていくと、旦那様が少しバツの悪そうな顔をしながら、手帳から1枚のメモを取り出されました。

そこには、毎月の収支が細かく手書きで書かれていました。 実は、毎月の家計はギリギリながらも黒字。年間150万円ほど出るボーナスも、決して使い切っているわけではありませんでした。

「じゃあ、どうして貯金が増えないの?」と驚く奥様に、旦那様は小さな声で本音をぽつりぽつりと話し始めました。

「貯まったお金は……内緒で、住宅ローンの繰り上げ返済に回していた。少しでも早くローンを終わらせて、家族を楽にさせたかったから。それに、子どもが小学校に上がれば幼稚園代が浮くから、その浮いたお金とこれまでの児童手当を合わせれば、大学までの資金(500万円)は作れる計画だった。スマホだって、内緒で格安プランを調べて家族全員分を切り替えた。俺だって、家族のためにできることはやってきたつもりだよ」

その言葉に、奥様は驚いたような顔をしていました。旦那様は家計管理に消極的なわけでも、無駄遣いをしていたわけでもなかったのです。不器用なほど一生懸命に、一人で家族の未来を背負って闘っていました。

ただ、「良かれと思って一人で抱え込み、奥様に共有しなかったこと」が、奥様の目には『無関心な夫』と映り、すれ違いを生んでしまっていたのです。実態を知った奥様は、驚きからなのか、ほっとしたからなのか、涙がこぼれていました。


3. 現場のプロとしてお伝えした「盲点」

お互いの誤解が解けてホッとしたのも束の間、私は旦那様の立てた計画を見て、1点だけどうしても気になる「盲点」を見つけました。

それは、「老後資金の準備を、会社の退職金(約2,000万円)だけに100%依存していたこと」です。

旦那様は「世間で言われている老後問題は、退職金で相殺できるから大丈夫」と安心されていました。しかし、お子様が大学を卒業する頃、旦那様はすでに60代半ばです。定年後も教育費の負担が続く可能性が高く、退職金を丸ごと老後資金として残せる保証はありません。さらに、これからの医療費や住宅の修繕費などを考えると、退職金とは別に「自分たちの手で用意した、いつでも動かせる現金」が絶対に必要でした。

「今のやりくりは本当に素晴らしいです。でも、退職金『だけ』を頼りにするのは、少しリスクが高いかもしれませんね」

そうお伝えすると、旦那様はハッとした表情を浮かべ、「確かに、定年まで会社が今のままでいる保証もないし、手元にもう少し現金を増やす仕組みが必要だな……。どうしていくと良いでしょうか」と、私に質問を投げかけてくださいました。

ここから、ご夫婦がバラバラではなく、初めて「同じチーム」として前を向いた瞬間でした。


4. 無理のない「月3万円」から始めた仕組み

元々大きな無駄のない家計でしたが、二人の意識が一つになったことで、見直しは驚くほどスムーズに進みました。

「いくらに抑えなさい」と強制するのではなく、お二人が納得して続けられる方法を一緒に考えていきました。 食費は、週末の家族の楽しみは残しつつ、平日の食材の使い方を工夫して無駄をなくす。通信費は、旦那様がすでにプラン変更をしてくれていたおかげで違約金がかからなかったので、さらに一歩踏み込んで格安スマホ業者へ夫婦揃って乗り換えました。

そうして、毎月3万円弱の支出削減(ゆとり)を安定して作ることができるようになったのです。

この3万円の使い道として、私は「自動で貯まる仕組み」を提案しました。

  • 2万円 ➔ 貯金へ(手元の現金を確実に増やすため)
  • 1万円 ➔つみたてNISAでの運用へ(相談当時の制度で投資信託の積立)

運用は初めてで、最初は「お金が減ったら怖い」と不安げだった奥様。しかし、新NISAで扱っているのは金融庁の厳しい基準をクリアしたリスクの少ない商品がほとんどであること、そして何より「長期運用が基本だけど、どうしてもお金が必要になったら、いつでも引き出せる」という安心感を知り、「それなら、私たちの老後のために始めてみたい」と、自ら進んで口座を開設されました。

数ヶ月後、順調に走る家計を前に、ご夫婦はさらにボーナスを活かしたiDeCo(個人型確定拠出年金)の検討も始められました。「貯金」と「投資」が二人の意思で回り出す、安心のシステムが完成したのです。の目的に合わせて「貯金」と「投資」が自動で走る、安心の貯蓄システムが完成したのです。


面談を終えて、思うこと

最初は「夫のやりくりが見えなくて不安」という奥様の悩みから始まった相談でしたが、結果として、ご夫婦がお金最初は「夫のやりくりが見えなくて不安」という、破綻寸前のすれ違いから始まったご相談でした。しかし、すべての面談を終えて相談室を後にする際のご夫婦の表情は、見違えるほど晴れやかで、帰り道に何を食べようかと楽しそうに話されていました。

この面談を通じて、私は改めて実感しました。 家計管理で本当に大切なのは、家計簿を細かくつけることでも、限界まで節約することでもありません。お互いのがんばりを認め合い、「これからどうしていきたいか」を夫婦で共有することです。一方がいくら家族を想って考えていても、共有しなければ、それは相手にとって「不安」という刃に変わってしまいます。

もし今、「相手に任せきりで実は不安」「お金の話を切り出そうとすると喧嘩になってしまう」とお悩みなら、ぜひ一度、お二人で私たちのところへお越しください。
夫婦だけで話すと感情的になってしまうことも、第三者が入ることで、驚くほど素直に本音が話せるようになる可能性があります。お二人が同じ未来を向いて、安心して進める仕組みを作るきっかけにできるかもしれません。