「贅沢していないのに貯まらない」世帯年収1600万のご家庭に潜む、本当の理由

こんにちは、株式会社マイエフピー です。

「毎月、贅沢をしているわけでも、無駄遣いをしているわけでもないのに、なぜかお金が残らない……」

私たちの相談室には、このようなお悩みを抱えた方がたくさんいらっしゃいます。

特にお互いにしっかりとした収入があるご家庭ほど、日々の忙しさから家計管理が後回しになり、「何とかなっているから大丈夫」と、自分のやり方に根拠のない自信を持ってしまいがちです

今回は、私が担当させていただいた、世帯年収1600万円という高収入でありながら「貯金が増えない」と悩む、あるご家庭の事例をご紹介します 。お金が貯まらない本当の原因は、どこにあるのでしょうか


世帯手取り70万円、だけど貯金は……

相談室にいらっしゃった会社員のAさん(48歳)は、自営業の旦那様(51歳)と、育ち盛りの息子さん3人を育てる5人家族のお母様です 。 ご夫婦合わせた世帯の年収は約1,600万円、毎月の手取り月収は70万円を超えるほどの大変豊かなご家庭でした

しかし、手元の貯金額を伺うと「400万円ほどしかありません」とのこと 。 長男(高2)の大学受験を1年後に控え、次男(中3)、三男(中1)と、これから最も教育費のピークを迎える時期に対して、あまりにも心もとなすぎる金額です 。Aさんは「少しでも貯めようと思ってがんばってきたのに、一向に増えないんです」と、深く頭を悩ませていました

家計簿の状況を確認すると、Aさんの認識では「毎月10万円ほど貯金ができている黒字家計」なのだそうです 。 ですが、現実には貯金は増えていません 。つまり、その「黒字のはずのお金」が、どこかへ消えてしまっているということになります

まずは何にいくら使っているのか、大雑把にでも支出の内訳を整理しましょうとお伝えしたのですが、ここから、この家計が抱える本当の課題が見えてきました


「お得」に縛られ、見えなくなった家計

「私は生活費と、本当に必要なものにしかお金を使っていません」

Aさんはそうおっしゃるのですが、実際はクレジットカードや複数の「〇〇Pay」を何種類も使っており、どこからいくら引き落とされているのか、記録が完全に散らばってしまっていました

「まずはこれらを1つか2つにまとめてみませんか? 月の食費や日用品代の全体像が見えてきますよ」と提案したのですが、Aさんは「仕事と3人の子育てで忙しいから、そんな時間はムリです」とおっしゃいます 。 それなら、家計簿アプリを使って自動で連携させてはどうかとお伝えしても、「設定が面倒」「前に使ってうまくいかなかった」と、なかなか首を縦に振ってはくれません

なぜ、これほど複数のキャッシュレス決済を使い分けているのかというと、理由は「ポイント還元目的」でした 。 しかし、キャンペーンに釣られてあちこちで決済するため、ポイントもバラバラに分散して貯まり、結局はうまく使い切れずに有効期限を切らしてしまうような状態だったのです

客観的に見れば非効率なやり方なのですが、Aさんの中には「私はこれで節約している、お得にやりくりできているはず」という強い自負がありました 。そのため、私たちがいくら仕組みのシンプル化を提案しても、なかなか耳を傾けていただくことができませんでした


「潜在的な贅沢」という盲点

さらに通帳を拝見して驚いたのは、お子さん3人とご夫婦分の「塾・習い事代」として、毎月18万円ほどが引かれていたことです

Aさんは「どれも子どもたちの将来に絶対に必要な支出なんです」と強調されました 。 もちろん、教育への熱意や家族の学びは素晴らしいものです。しかし、いくら必要であっても、現在の貯蓄ペースに対して支出の比重が大きすぎます

「無駄遣いはしていない」という強い思い込みのなかに、実はご家庭の身の丈を超えた「潜在的な贅沢」が隠れている 。これこそが、いくら働いてもお金が貯まらない最大の原因でした

Aさんは「貯金が増えない」という結果には真剣に悩んでいるものの、これまでに自分が正しいと信じてやってきた「ポイント活動」や「教育費の基準」といった価値観を変える一歩を、どうしても踏み出すことができずにいました


面談を終えて、今思うこと

今回のAさんのように、自分のやり方に強いこだわりや根拠のない自信がある場合、現状の非効率さを指摘されても、なかなか受け入れられないというのは人間の心理としてよく分かります

しかし、家計を本気で変えるためには、まずは「今のやり方ではうまくいっていない」という現実を素直に受け入れ、小さな変化を受け入れる勇気が必要です 。せっかく高い収入があり、やれば確実に変われるポテンシャルがあるのに、ご自身の基準に縛られて動けないのは、本当に本当にもったいないことだと感じました

お金のための行動(ポイントを貯めるなど)をしているからといって、それが本当に「資産形成」に繋がっているとは限りません

もし、あなたのご家庭でも「贅沢はしていないのに、なぜかお金が貯まらない」と感じているなら、それは家計の構造そのものが乱れているサインかもしれません