消費・浪費・投資 家計の三分法

世の中の景気や、物価の上下に影響されるたびに、管理が難しいと感じるのが家計です。家計簿をつけなくてはいけないが、それは手書きがいいのか、アプリがいいのか。何とかして家計簿をつけてみても成果が上がらない、お金が貯まらない。そう苦労している方がいらっしゃるのではないでしょうか。

家計相談に来られるお客様も、ほとんどが家計簿をつけられないとか、つけていても支出の把握ができていない方です。そんな家計管理や貯金がうまくいかない人にこそ知ってほしい、支出を消費、浪費、投資の3つに分ける「家計の三分法」。支出を費目ではなく、価値で分類する家計管理法です。今回は、その家計管理法についてお伝えします。


支出を消費・浪費・投資の3つのモノサシで測る

今回紹介する家計管理法は、家計の三分法と言われるもの。2009年に発売された「年収200万円からの貯金生活宣言」で弊社代表・横山光昭が発案・公表した家計管理法でもあります。

方法は支出を自分のモノサシ(価値観)で「消費」「浪費」「投資」の3つに分けるだけのシンプルなやり方ですが、続けていくと次第に自分なりの価値観が形成され、浪費を抑えてバランスが取れた家計を作り上げていくことができます。

やりたい方はこれに費目別管理を加えてもいいですが、家計簿が続かない、支出の把握ができないという人ほど、まずはこの方法を3か月以上続けて実践してみてください。いろいろな気づきがあるはずです。

では、この「消費」「浪費」「投資」はそれぞれどういう支出のことなのでしょうか。

消費=生活に必要なお金

「消費」とは、生活する上で必要不可欠なお金のことです。
たとえば…

  • 家賃や光熱費
  • 食費(基本的な自炊や外食)
  • 通勤・通学の交通費
  • 最低限の衣類や日用品

などが該当します。

生活を維持するために必要な支出なので、ゼロにすることはできません。ただし、**本当に必要なものか?無駄がないか?**を見直すことは可能です。


浪費=なくても困らない、けど使ってしまうお金、ムダ使い

「浪費」は、言ってしまえば“無駄遣い”です。
例えば…

  • つい買ってしまうコンビニのお菓子
  • 気分転換のつもりが頻繁になるカフェ代
  • タンスの肥やしになっている洋服やグッズ
  • 買ったけど使っていないサブスク

などが浪費にあたります。
また、安いからとたくさん買った食材を腐らせてしまい捨ててしまったというのも、消費のつもりだった浪費です。

ただし、すべての浪費が悪いわけではありません。浪費は浪費という認識のもとでできるようになると、家計のコントロールは楽になります。
たまのご褒美は心の栄養になります。ただ、無意識に浪費が増えていくと、お金がどんどん逃げていきます。


投資=未来の自分を良くするためのお金、生産性のある使い方

最後の「投資」は、未来の自分にプラスをもたらすお金の使い方です。

  • スキルアップのための書籍や講座
  • 健康を維持するための運動や食事
  • 良質な人間関係を築くための交流費
  • 資産を増やすための金融投資・預貯金

などが含まれます。

ポイントは、使ったお金が将来「よかったな」と思えるかどうか。
浪費に近いようでも「意味がある」と感じられる支出は、実は投資かもしれません。


自分のお金の使い方をチェックしてみよう!

1週間、あるいは1ヶ月の支出を、「消費」「浪費」「投資」に分けてみてください。
すると、自分のお金の癖が見えてきます。

実はこれには理想的な割合があり、「消費:浪費:投資」=「70:5:25」。これは年収850万円くらいまでの世帯に有効な割合で、それ以上の年収になると、投資の割合が増えていきます。また、年金生活など老後の生活に入ると、消費が増え投資が減る特徴があります。

まずはご自分の支出をチェックしてみましょう。浪費が多すぎるなら、少しだけ見直して投資にまわす。投資や消費が多いなら、浪費が隠れていないかチェックしてみましょう。

そんな振り返りができるようになると、「価格」ではなく「価値」に基準を置いたお金の使い方、家計管理ができるようになります。


まとめ

お金をやりくりし貯めるには、節約だけすればよいものではありません。豊かな生活を送り、かつしっかりと家計管理をしていくためには、「価格」ではなく「価値」で判断する自分有の基準を持つことが大切です。
今回紹介した「家計の三分法」の、支出を 消費・浪費・投資、この3つに分ける方法で、自分はどういう支出をしながら生活しているのか、クリアに見えてきます。

ぜひ今日から、お金の使い方に“意味づけ”をしてみてくださいね。

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